先輩を訪ねて

Persons

現在はどのようなことをされていますでしょうか

株式会社CominalのCEOとして、ユーザーのニーズや興味にあった近くの人とすぐに対面会話を始めるためのビジネスプラットフォーム・アプリ“Koino”を作っております。

現在の活動（研究も含め）はどのようなきっかけで始められたのでしょうか

神奈川県のベンチャー企業の成長促進拠点「SHINみなとみらい」でのボランティアや自身のスタートアップ、VC(ベンチャーキャピタル)での仕事の経験から、ビジネスの成功において人との繋がりというのが、いかに大切かと身をもって感じるようになりました。ただ、そうなるとどうしても社交的な人がビジネス成功のチャンスを掴みやすくなります。そのような個人の性格に関係なく、多くの才能やアイディア、技術や特許を持つ人たちが、それを社会に生かすチャンスを同じように掴めるような世界であって欲しいと思い、このサービスを作ろうと考えました。

大阪大学理学研究科・理学部時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか

実は、勉強に対する姿勢に関しては、あまり覚えていません（先生方、ごめんなさい）。
ただ、研究室に行くとみんながいるのが楽しくて、そして卒業したOB、OGが来訪時に置いていってくれるお菓子が美味しくて、研究室にはせっせと通っていました。そのお菓子を食べながら、生きて生活しているだけで、何かしらの恩を受けているし、将来自分も社会人になったら、きちんと周りにその恩を回していきたいな、それを忘れたくはないな、と考えていたことだけは、お菓子の味と共にしっかり覚えています。

卒業祝いのお菓子を受け取る前田氏

大阪大学理学研究科・理学部時代に印象的なエピソードがあればお教えください

理系は稼げない、という話を聞いた事をいまだに覚えています。
こんなにみんな朝から晩まで勉強していて、それでも稼げないなんて！！と（自分が勉強をしていないことは棚に上げて）一人憤慨した記憶があります。その後、社会人となり、アカデミック、開発、その他含め色々な形で成功している多くの理系出身の方々にお会いした今、「そんな事はない！」と自信を持ってお伝えできます！これから理学部を目指す方も、在学生の皆さんもご安心ください！

これからの大阪大学理学研究科・理学部について、提言等ありましたらお教えください

引き続き、歴代の方々が発見された知識や真理の追及への姿勢を学べる場所であり続けてください。そして様々な未来を選択する学生や卒業生たちが進む道を応援し続けていただければ幸いです。

今後やってみたいことはどのようなことでしょうか

私が今作っているサービス“Koino”は、国籍に関係なく、大学生や大学院生、自治体、スタートアップ、メーカーやその他企業の人々が、実際に会って、ビジネスに関する共通点で会話する、自身が動けば自分のビジネスやキャリアのチャンスを掴めるというサービスです。
このサービスの上位概念は、ビジネスのみならず趣味や興味で色々な世界や世代の人が繋がれる、自ら人の輪を広げようとする人をサポートするサービスだと考えています。いつか人がもっと自由に繋がり、コミュニティや世界が広がって、多くの人と人との対面会話が生まれるようなサービスを作ってみたいと考えています。

理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか

正直に言うと、大学で学んだ化学の知識を社会人になって直接使うことはほとんどありませんでした。
ですが、直接的に利用することはなくとも、人生で訪れた重要な場面での判断基準、キャリアのチャンスを掴み取るきっかけ、そして色々な価値観の礎や摂理の理解は、大阪大学理学部の四年間（休学したので実際五年間ではありますが）の知識と経験から来ています。
大学、そして、その後のキャリアを含め、色々な勉強や活動を行うことは何一つ無駄がないというのが私の阪大理学部での学びでした。今後もそれを忘れず、迷いなく思いっきり勉強と経験を積んでいきたいと思いますし、その過程でいつか先輩方、後輩方、そしてこの理学友倶楽部の部員の皆様とご一緒に世界に貢献できる何かができたら！と思います。