先輩を訪ねて
Persons

現在はどのようなことをされていますでしょうか
事業企画職として、プリント配線板用高機能ガラスクロス事業を担当しています。
主な業務は経営計画の策定や実行支援、プロジェクトの運営等、経営層と共に事業運営に関わっています。
最先端の分野でトップクラスのシェアを誇る事業で、さらなる事業成長のため日々活動しています。
現在の活動(研究も含め)はどのようなきっかけで始められたのでしょうか
入社後5年間は半導体材料の研究開発に従事していました。顧客要求に応えるための最先端の材料開発という、とても充実感のある仕事でしたが、徐々に「事業は開発だけで成り立っているわけではない。もっと広い視野で事業を見たい。」と思うようになりました。そこで、当時の開発部長に直談判し、社内で受け入れ先を探していただいたところ、幸運にも今のポストに引っ張っていただくことができました。
大阪大学理学研究科・理学部時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか
なんでも挑戦してみるようにしていました。学生時代のテーマは、新しいモノマー(高分子を構成する最小の単位となる分子)を試す機会の多いものだったので、文献や試薬会社のカタログなどを様々に調べて試していました。その中でよくわからない結果が出たときの考察や分析では、研究室の青島貞人先生、金岡鐘局先生、金澤有紘先生、そして先輩方をはじめとする研究室メンバーにご指導をいただき、最終的に自分が1st Authorとなる論文を発表できたときの喜びは、ひとしおでした。
大阪大学理学研究科・理学部時代に印象的なエピソードがあればお教えください
青島研究室は研究室の居室が3つに分かれていましたが、私の居室には、温度の変化に応答して性質が変化する温度応答性ポリマーの合成をテーマにする先輩が多くいました。私は高校時代に化学と生物を選択していたため、私の研究テーマのひとつだった「温度応答性」では物理化学的な理解に苦戦しましたが、先輩方から現象の基礎を一から教えてもらい、無事に論文としてまとめることができました。時々みんなでラーメンを食べに連れていってもらったのも良い思い出です。
これからの大阪大学理学研究科・理学部について、提言等ありましたらお教えください
私が学生だった頃の先生方がほとんど退職され、新しい先生、若い先生に代わっていっていると感じます。新しい風も入って、今後より一層発展していくことを、卒業生としても期待しています。
今後やってみたいことはどのようなことでしょうか
「技術で大きくなれる事業」を立ち上げてみたいです。卓越した技術があっても、経営がうまくいかずに事業を拡大できなかったという話は、企業ではよく聞く話だと思います。今後も事業企画職としてさらに経験を積み、技術出身というバックグラウンドを活かして、そんな「光る技術」を事業拡大させたいです。
理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか
在校生の女子学生さん、ぜひいろんなことに挑戦してください。将来のことを考えると、踏み出しづらいことも多々あるかと思います。そんなとき、「深く考えず、えいやでやってみる」と、意外と環境も後からついてきたりします。私も後悔しないよう、まだまだ挑戦していきたいと思います。
最後にひとこと
このような貴重な機会をいただき、ありがとうございました。まだまだ未熟ですが、母校の名前がより一層有名になるよう、これからも活動していきたいと思っています。