先輩を訪ねて
Persons
2016年4月1日に知的財産部に異動されました。
現在はどのようなことをされていますでしょうか
三井化学において新事業の創生に取り組んでいます。これまでの石化型と言われる素材産業から、顧客へのソリューション提供型に事業のポートフォリオを変えるべく奮闘しているところです。具体的には、安全なリチウムイオン電池材料の開発、金属と樹脂とを直接接合させる技術の展開、新規歯科材料の開発、太陽光発電所の診断事業立ち上げ、等を行っています。興味ある方は連絡ください。
現在の活動(研究も含め)はどのようなきっかけで始められたのでしょうか
もともとは触媒反応および有機合成の研究者で20年近く研究を行ってきました。その後研究リーダーとしてこれら以外にも計算科学、電子材料、機能樹脂、機能化学品などを経験させて頂き、現在の新事業開発に繋がっています。新規事業の立ち上げには様々な技術の複合化が必要であり、これまでの知見や考え方が大いに役に立っています。
大阪大学理学研究科時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか
まずは現実・現物が重要であり、実験を重ね、その内容をしっかり考察することです。いい結果が出ないと挫けそうになりますが、前向きに楽しみながら進めていると必ずいいことがある、と信じていました。
大阪大学理学研究科時代に印象的なエピソードがあればお教えください
4年で研究室配属時(1980年)に中村晃先生から与えられたテーマは、「何でもいいから新しい不斉反応を見つけなさい」というものでした。当時まだ不斉反応例は数少なく、「不斉反応って何?」から勉強する状態でした。約1年多くの反応を検討し、何も起こらなく苦心の日々でしたが、ある時試した反応で得た生成物を旋光計に掛けたところ、狂ったようにダイヤルが回りだしました。新規不斉反応発見だったのですがこの時の感動が忘れられず、今もなお研究開発に携わっています。
これからの大阪大学理学研究科について、提言等ありましたらお教えください
理学部ですから、物事の本質をしっかり極めながら研究を進めて頂きたいと思います。近年ともすれば具体的なアウトプットを求めがちで、時流に乗った研究ばかりが目立ちますし、似たような研究も多いように見受けられます。阪大理学部としての立ち位置を明確にして、時流だけに捕らわれない基盤的な研究を続けて頂きたいと希望しています。
今後やってみたいことはどのようなことでしょうか
現在の新事業開発を通して研究開発の面白さを伝え、何にでもチャレンジしていく風土を醸成したいと思います。
個人的には最近始めたゴルフがちっともうまくならないので、もう少し何とかしたいと思っています。
理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか
このような場を利用して多くの仲間を知ることが大事と思います。阪大卒と言うだけで仲間意識が強くなりますし、どこかで繋がることも多いものです。一人一人が積極的な参加をお願いします。
最後にひとこと
社内では「阪大卒の人間はちょっと変わったことをさせるのに丁度いい」と良く言われます。少し発想が違うようです。大学独特の雰囲気から来るものと思いますので、この伝統は大切にして頂きたい?かな。