先輩を訪ねて
Persons
現在はどのようなことをされていますでしょうか
合成、薬理、薬物動態、安全性研究所の創薬関連の4つの研究所を統括すると同時に、同業他社とのprecompetitiveなステージでの協業体制の構築や本部内の厄介な仕事を処理する雑用係(?)のような仕事をしています。
現在の活動(研究も含め)はどのようなきっかけで始められたのでしょうか
M2のGW前に、恩師である芝哲夫教授に田辺製薬(株)への入社を進められましたが、知らない会社でしたので、見学に行かせていただくというお話をしましたが、いつのまにか入社することになっていました。それから、18年間、合成に没頭していました。ある日、会社で他部署の不満を口にしたところ、そこに転属させられ、その後、次々と新たな体験をすることになり、今に至りました。
大阪大学理学研究科時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか
勉強は嫌いでしたが、実験が好きでしたので、実験では手を抜いた事はありませんでした(しかしながら、結果はついてきませんでした。今にして思えば、知識や技術不足の中での空回りだったような気がします)。研究室で一緒に過ごした人達が皆さん親切、且つ優秀で、いつかは追いつきたいという思いがありました(当時、こういう事を口にはしませんでしたが)。
大阪大学理学研究科時代に印象的なエピソードがあればお教えください
学部時代に有機化学実験法(芝先生担当)を履修せずに、厳しいと評判だった芝研究室に席を置くことにしましたところ、報告会で、「実験がうまく行かないのは、僕の授業を取ってなかったからじゃないか(笑)」と、しばしば、芝先生に冷やかされました。当時は、結構応えたのですが、今となっては、良い思い出(武勇伝?)になっています。
これからの大阪大学理学研究科について、提言等ありましたらお教えください
自然の原理を追及するのが「理学」であり、原理を追及するプロセスにおいて、研究者としての成長が促されていくのが、理学研究科の本来の姿のように思います。目先の大学ランキングアップに振り回されることなく、ワクワクするような理学研究で、後輩を育てて行っていただきたいと思います。
今後やってみたいことはどのようなことでしょうか
産学連携の橋渡しや、アカデミアからの創薬の支援のお役に立てないかと考えています。
理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか
多くの人の情報発信を楽しみにしています。
平成27年12月3日第17回理学懇話会