先輩を訪ねて

Persons



現在はどのようなことをされていますでしょうか

現役の時の引き続きで、構造生物学分野の研究を続けています。具体的には、酵素や蛋白質の立体構造を主にX線結晶解析で決定し、これを基に機能を探っています。最近では中性子結晶解析で、X線結晶解析とは異なる情報も得ています。その他球状ウイルスの立体構造にも取り組んでいます。

現在の活動(研究も含め)はどのようなきっかけで始められたのでしょうか

理学研究科では定年になると研究室は消滅し、人がそのまま居残ることははばかれます。幸い工学研究科で構造生物学研究を続ける道が開けたので、研究の拠点を今の場所(吹田キャンパス)に移しました。

大阪大学理学研究科時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか

出来る限り、科学/構造生物学研究を発展させることです。

大阪大学理学研究科時代に印象的なエピソードがあればお教えください

いろいろあって、どれが特筆すべきかわかりません。ともあれ、大阪大学理学研究科では研究に干渉ざれず、思い切りやることが出来ました。

これからの大阪大学理学研究科について、 提言等ありましたらお教えください

制度上現状で仕方ないと思いますが、定年になっても研究の閉め出しを食らわすようなことは出来る範囲で和らげて欲しいと思います。

今後やってみたいことはどのようなことでしょうか

出来る限り、科学/構造生物学研究を発展させることです。

理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか

理学研究科がますます発展することを願っています。

最後にひとこと

定年を機に蛋白質結晶学を振り返りました。そこで生まれたのが「昭和と平成の今昔物語―タンパク質結晶学の周辺―」です。この本は2014年の8月にBookWayという出版社を通して自費出版しました。(Googleなどで検索すると、最初の部分の立ち読みや、入手方法が出てきます。)

職歴

1971年

大阪大学理学部高分子学科卒

1973年

岡山大学大学院理学研究科化学専攻(修士課程)修了

〜1987年

同鳥取大学工学部工業化学科・助手

1979年〜

理学博士

1980~1982年

Purdue University Biological Sciencesでポスドク

1987年

大阪大学理学部生物学科・講師

1991年

同助教授

1995年

同教授(大学院重点化に伴い、生物学科は生物科学科になった。)

~2013年

同定年退職

2015年04月01日 掲載