先輩を訪ねて

Persons



現在はどのようなことをされていますでしょうか

入社して28年間は医用画像のデジタル化を命題に取り組んできました。その過程で協業などを通して、最先端の半導体製造技術を学びました。これらに独自技術を組み入れて製品化に成功し、多くの賞を受賞しました。この経験を活かしマネージャーとして、金属イオンの価数をX線を用いて識別する装置を開発し、現在は、さらなる高性能化・高機能化、学会発表と、リチウムイオン電池業界を主ターゲットとしたセールスサポート等を行っています。

現在の活動(研究も含め)はどのようなきっかけで始められたのでしょうか

理物からの就職先がバブル前で大手電機メーカ以外多くはなかった中、「科学技術で社会に貢献する」という社是の当時無名に近かった会社が妙に気になり応募した結果、X線検出器技術者を求める会社側と偶然マッチングして即入社が決まりました。現在の分析装置開発も、無理を覚悟で試作した装置が予想以上の結果を出したことから始まりました。運命的なものを感じています。

IBA2019(International Battery Association)
アメリカ・カリフォルニアにて
ポスター発表・企業ブース展示(2019年3月)

EXRS2018(European Conference on X-Ray Spectrometry)
スロベニアにてポスター発表(2018年6月)

大阪大学理学研究科時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか

物理学科に入れば、物質や宇宙の根源をいつの日か知ることができると幼心に信じていましたが、それは夢想に過ぎないことを知り、自分の無能さも露呈して授業はさぼり気味になり、案の定院試に失敗しました。そんな中、学生実験では自分たちだけで企画完結できるテーマを与えられ、究極を求める世界とはまた違った方向で自分の能力を活かせる道を知りました。それ以来、自分は何をするべきかを自分の責任で考え判断することを心がけています。

大阪大学理学研究科・理学部時代に印象的なエピソードがあればお教えください

さぼりの前頭筆頭位をうろついていた私ですが、同級生にはとても恵まれました。特に寮生4人で昼夜を問わず行動を共にし、試験対策の連携プレーを見事にこなしました。そんな彼らも社会で活躍し2人は立派な教授となっています。当時の私は院試浪人に挫折して就職を選択、その勢いで結婚を決めた際にも、同級生が大勢集まって祝ってくれました。今でも何かにかこつけて招集される同窓会には必ず出席するようにしています。

「阪大理学部同窓会講演会」終了後、同期での集まり(2013年5月)

これからの大阪大学理学研究科・理学部について、提言等ありましたらお教えください

こんなスキームがあればいいなと常々思っていたことを会社がやってのけてくれましたので、紹介させていただきます。 >>島津製作所と大阪大学の包括連携協定締結の記事はこちら
今や私の時と異なり、企業も大学も国を挙げて専門性の高い人材を求めている時代ですので、これに限らず、博士後期課程に進むことを躊躇している方々に、実例を挙げて多くの選択肢を示すことができれば、安心して研究に打ち込めるのではないでしょうか。

今後やってみたいことはどのようなことでしょうか

どうすれば健康で長生きできるかを探求しています。
お酒や趣味のテニスは負荷気味にすべきか、控えめにすべきか?
何か新しい趣味を見つけて右脳も鍛えるべきか、まだまだ左脳を鍛えていくべきか?
退職金は老後に備えて貯めておくべきか、楽しいことに使っていくべきか?
医者の言うことは聞くべきか、自分の身体を信じるべきか?
周りを参照し自分の心身で試しながらいろいろと模索中です。とりあえず、ノンアルコールビールの美味しいものを見つけました。

理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか

次代を担う重責を背負った30代、40代のOBOGの皆さんは楽しく過ごしていらっしゃるでしょうか。
これから社会に出ようとしている学生さんはどのような希望を抱いているのでしょうか。
若い世代の声が聞けたら嬉しいです。

最後にひとこと

大阪大学理学部物理学科に在籍できたことを誇りに思っています。

経歴

1986年

大阪大学理学部物理学科卒業
株式会社島津製作所入社 中央研究所配属
医用画像のデジタル化装置開発に従事

1997年

基盤技術研究所へ改組異動

2011年

文部科学大臣表彰「科学技術賞」受賞

2012年

全国発明表彰「朝日新聞発明賞」受賞

2014年

同時多波長分散型蛍光X線分析装置の開発に着手

2023年

分析計測事業部 X線/表面ビジネスユニットへ異動
現在に至る

2023年10月04日 掲載