先輩を訪ねて

Persons



現在はどのようなことをされていますでしょうか

静岡大学工学部で大学教員として働いています。教育面では、学部1、2年生に向けた基礎化学の講義や、学部3、4年生、大学院生に向けた研究指導を行っています。研究面においては、高分子材料の表面や界面の特性を制御するためには、どのように高分子の化学構造や形態を設計すればよいか、新しい発見を目指して活動しています。研究室の学生さんたちと一緒に、毎日試行錯誤しながら楽しく研究に取り組んでいます。

現在の活動(研究も含め)はどのようなきっかけで始められたのでしょうか

将来の職業を考え始めた修士1年生のとき、恩師である青島貞人先生の「大学の仕事はクリエイティブで楽しいぞ」というお言葉をきっかけに、「クリエイティブ」な研究者になることを夢見て、アカデミアの道へ進むことを決意しました。学生時代は高分子合成化学を学び、その後、九州大学での研究活動を通して高分子構造・物性や表面・界面科学について学びました。目の前の研究課題に精一杯取り組み続けた毎日で、あっという間に年月が経ち、気がつくと現在の仕事に辿り着いていました。

大阪大学理学研究科時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか

何事も機会を逃さず、積極的に挑戦しようと心がけていました。特に、研究室に入ってからは、周囲の先輩、友人、後輩たちがとても優秀だったので劣等感や焦りを感じ、自分なりに自己研鑽に励みました。米国ミシガン大学への短期留学の機会があることを聞くと、迷わずすぐに手を挙げました(現在であれば、手を挙げるまでに、じっくり悩むと思います)。先生方やご支援いただいた皆さまには、有意義かつ貴重な経験をさせていただいたことに深く感謝しています。

大阪大学理学研究科・理学部時代に印象的なエピソードがあればお教えください

学部1年生のとき、講義内容が難しくて全く理解できず、講義が終わるたびに友人と図書館で復習しました。関連する書籍を片っ端から読んでは、わかりやすい説明を探し出し、友人と情報交換しました。必死ながらも楽しくて、大学ではこうやって勉強するんだなぁと実感しました。懐かしい思い出です。 また、講義において、大阪大学理学研究科で発見されたことが教科書に載っていることを知るたびに、様々な学問分野における大発見を身近に感じ、感激しました。

これからの大阪大学理学研究科・理学部について、提言等ありましたらお教えください

これからも、新しい発見や概念を世界に先駆けて発信する場、学生が純粋に学問を楽しめる場であり続けてほしいと願っています。

今後やってみたいことはどのようなことでしょうか

学生時代に描いた将来の目標は、まだ達成できておらず道半ばです。これからも目標に向かって一歩一歩努力し続けたいと思っています。 現在、自身の研究室を持たせていただいて2年目となりました。工学部に所属しているので、試行錯誤しながらも、社会実装に繋がる課題設定を意識しながら研究に取り組んでいます。一方で、理学部出身の端くれとして、基礎科学の発展に少しでも貢献できるような研究成果を発信することを目指し、日々精進していきたいと思っています。

理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか

各分野で活躍されている部員の方々の情報発信を楽しみにしています。

最後にひとこと

このような寄稿の機会を頂き、卒業生として大変光栄です。大阪大学理学研究科・理学部の卒業生として恥ずかしくないよう、これからも、様々な「不思議」を見落とさないこと、論理的に考えること、基本に立ち返ること、を常に意識しながら、教育・研究活動に真摯に向き合ってまいります。

経歴

2006年3月

大阪大学理学部化学科卒業(青島貞人研究室)

2008年3月

大阪大学大学院理学研究科高分子科学専攻 博士前期課程修了(青島貞人研究室)

2010年

ミシガン大学歯学部 訪問研究員(Kenichi Kuroda Lab.)(1~3月, 5~6月, 11~2011年1月)

2011年9月

大阪大学大学院理学研究科高分子科学専攻 博士後期課程修了(青島貞人研究室) 博士(理学)

2011年10月

大阪大学大学院理学研究科 特任研究員

2013年4月

九州大学大学院工学研究院 特任助教

2016年9月

同 助教

2021年10月

静岡大学学術院工学領域 准教授

2023年11月1日 掲載