先輩を訪ねて

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現在はどのようなことをされていますでしょうか

現在はエンジニアとして、主に産業界のお客様に向けたシステム開発・提案を通じて、お客様の課題解決や業務効率化を支援しています。具体的には、産業機械から取得できるIoTデータを適切に加工・蓄積し、そのデータをAIによる予知保全や最適化のために活用するなど、データ利活用によりビジネス価値を生み出すための一連の仕組みづくりを行っています。

現在の活動(研究も含め)はどのようなきっかけで始められたのでしょうか

入社直後にアサインされたプロジェクトでOracleやSQLServerといったデータベース製品に触れ、データモデリングやデータ処理の基礎を学びました。また、私が入社した時期に機械学習(ML)を活用したPoC(システム開発前に実現可能性や効果を検証するプロセス)の引き合いが多く、そういったプロジェクトに携わりたくて機械学習や数理統計を独自に学びました。当時のこれらの取り組みが、「データ利活用」というキーワードで結びつき、現在の活動に繋がっているように思います。

大阪大学理学研究科・理学部時代に、心がけていたこと・大切にしていたことは何ですか

「何事に対しても、自分が納得いくまで考え抜く」ということは、理学研究科・理学部に在籍していた当時も、そして現在も、大切にしている価値観です。日常生活の中で遭遇する何気ない疑問に対して、自身の中で腑に落ちる解釈をつけて言語化するようにしていました。

大阪大学理学研究科・理学部時代に印象的なエピソードがあればお教えください

理学研究科の院生室の仲間と一緒に過ごした日々が印象深く記憶に残っています。一緒に勉強をしたこと、たわいもない雑談をしたこと、博士後期課程に進学するかどうかを深夜の公園で悩みぬいたこと。10年たった今でも鮮明に覚えています。

これからの大阪大学理学研究科・理学部について、提言等ありましたらお教えください

昨今のAI技術の進歩を見ていると、基礎研究に対する世間の関心や期待が10年前とは大きく変化しているように感じます。格式を守りながらも、時代の潮流に対して柔軟な場所であって欲しいと願っています。

今後やってみたいことはどのようなことでしょうか

エンジニアとして、普段は「プログラミング言語を使って何かを作る」ということをやっていますが、「プログラミング言語自体を作る」という経験をしてみたいです。言語の開発コミュニティに参加して、議論を重ねながら言語仕様を作り上げていくのはとても面白そうです。

理学友倶楽部の部員にメッセージをいただけますでしょうか

一般企業に就職すると、どうしても大学のコミュニティから疎遠になってしまいます。このような機会をいただけたことに感謝いたします。また、多様な分野で活躍される皆様が交流する場として、コミュニティのさらなる発展をお祈り申し上げます。

最後にひとこと

社会人になり、家族ができ、人生の節目を迎えるたびに自身が「学ぶ」ための時間はどんどん貴重になり、学生時代はとても恵まれた環境にいたことを痛感します。限られた時間の中で、自分が面白いと思えることを常に学び続ける姿勢を忘れないようにしたいと思っています。

経歴

2015年03月

大阪大学大学院理学研究科 数学専攻 博士前期課程修了

2015年04月

日鉄ソリューションズ株式会社 入社

2024年12月24日 掲載