理学友倶楽部だより

News

2017.07.13

新任の先生よりごあいさつ:生物科学専攻に着任された小布施力史先生

小布施 力史

Chikashi Obuse

大阪大学大学院理学研究科
生物科学専攻
2017年4月 着任

現在の研究の概要についてお教えください

遺伝情報を担うDNAはRNAやタンパク質と一緒にクロマチンを形成して、核の中に収められ、次の世代に継承され、発生や分化、外的な刺激に応じて遺伝子の発現調節が適切に行われています。わたしたちは、これらのことを支える仕組みを、ゲノムの配列情報を活用したゲノミクスやプロテオミクスという技術を交えて明らかにしています。特に、ヒトのクロマチンの機能的な構造の成り立ちを分子レベルで明らかにすることにより、遺伝情報の継承、発現調節の理解を深めてきました。

この道を選んだ理由をお教えください

生命現象を分子の振る舞いで説明できるという分子生物学に惹かれました。大学院生の頃、研究は、うまくいくことばかりではないので、長く暗中模索する時期もありましたが、先輩や先生たちと、あーでもない、こーでもないと、議論しながら、乗り越えてきました。このうまくいかない時期が、今となっては、とてもいいトレーニングだったように思います。また、その結果として、自分の手を動かして、世界で誰も知らないことを明らかにできる喜びを知りました。こういう雰囲気が好きだったのだと思います。

現在の研究でやりがいを感じるのはどんなときですか?
逆に難しさを感じるのはどんなときですか?

研究がある程度進むと、研究から導かれる話の”筋”みたいなものが見えてくるのですが、一方で、その筋とつじつまが合わないことがいくつか出てきて苦しむことがよくあります。そんな時が正念場で、その筋をいろいろな人と議論しながら再考したり、それを検証する研究を行っていくと、あるとき、すべてのつじつまが筋と合うようになる瞬間が訪れることがあります。この過程は、とてもやりがいがありますし、最後につじつまが合いだすと、今まで行っていたすべてのことや、周りの知見が説明できるようになる。まるで、パズルのピースが残り少なくなって、何も考えなくても、はまっていくような、痛快な感じです。

大阪大学理学研究科に来られる前はどちらで研究されていましたか?
こちらに来られるまでの経緯などもお教えください

前任地は北海道大学で、理学部の生物科学科(高分子機能学)を教授として11年間担当してきました。その前は、京都大学(柳田充弘先生の研究室)に助教授として3年間、奈良先端科学技術大学院大学(吉川寛先生の研究室)に助手として8年間、務めました。大学院生時代は名古屋大学(岡崎恒子先生の研究室)です。

大阪大学理学研究科についての印象をお教えください

歴史や伝統がありながら、先生方はそれぞれの分野を代表する研究者で、自由闊達な雰囲気を感じます。

大阪大学理学研究科で実現したいこと、目標などあればお教えください

学生のみなさんと、おもしろい、オリジナルな研究が出来たらいいなと思っています。また、一人でも多くの学生のみなさんに、研究の面白さを知ってもらえたらと思います。研究をとおして、自ら問題を見つけて、それを自分らしいやり方で解決するという経験をしてほしいと思います。このような経験は、研究のみならず、いろいろな局面での自らの力になるのではないかと思っています。

理学友倶楽部の部員に
メッセージをいただけますでしょうか

多くの学生のみなさんや、教員のみなさんと交流を深めていきたいと思います。どうぞ、よろしくおねがいします。

最後にひとこと

今まで行ってきた研究を基盤として、新たな地で、新たな人たちと出会い、研究においてもあらたなことにチャレンジしていきたいですね。

大阪大学 大学院理学研究科 生物科学専攻 染色体構造機能学研究室
→ホームページ

学歴

 

1989年

東京理科大学理工学部応用生物科学科 卒業

1995年

名古屋大学大学院理学研究科分子生物学専攻 博士後期課程
単位修得退学


職歴

 

1995年

奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス研究科 助手

2003年

京都大学・大学院生命科学研究科 助教授

2006年

北海道大学・大学院先端生命科学研究院 教授

2017年4月より

現職