理学友倶楽部だより

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2017.06.20

新任の先生よりごあいさつ:物理学専攻に着任された越野幹人先生

越野 幹人

Mikito Koshino

大阪大学大学院理学研究科
物理学専攻
2016年9月 着任

現在の研究の概要についてお教えください

2次元物質を理論的に研究しています。2次元物質は厚さ原子1個分というとても薄い物質で、厚みがある通常の物質とは全く異なる性質を持ちます。電気的、光学的、磁気的性質など、様々な物性を量子統計力学を駆使して理論的に解明、予言することを目指してます。エレクトロニクスなど応用分野とも深くつながっている分野です。このほかトポロジカル物質と呼ばれる新物質、またおもしろい幾何学形状をした物質の研究にも力を入れてます。

この道を選んだ理由をお教えください

高校の頃は物理より数学が好きでした。大学に入って物理をやったら、こちらもきっちりした美しい学問だと思い、物理学科を選びました。航空宇宙工学科と迷った覚えがありますが、そちらを選んでいたら今どうなっていたのか見当もつきません。大学院で物性理論を選びました。アカデミックでやっていく自信は全然ありませんでしたが、やっていくうちに、自分の計算したことが不思議な物理現象を表現していることに面白みを感じて、少しずつ深みにはまっていきました。

現在の研究でやりがいを感じるのはどんなときですか?
逆に難しさを感じるのはどんなときですか?

理論計算は地味ですが、ただの数式やデータから意味のある事象を読み解く作業が面白いです。たまにこちらの予想と違う、変な計算結果に出くわすんですが、大概そういうところに一番面白い物理が隠れていたりします。一方で膨大な計算の末に大したオチ無しみたいなこともあります。難しいですね。また実験の研究者ともよく仕事をするのですが、わからない実験結果を明快に説明するストーリーにたどり着いて、それを実験の人が聞いて興奮してくれた時がうれしいです。

大阪大学理学研究科に来られる前はどちらで研究されていましたか?
こちらに来られるまでの経緯などもお教えください

2003年に東大で学位をとり、そのあと東工大でしばらく助手を務めました。このときに2次元物質の研究を始めました。2007年にアメリカのコロンビア大学に滞在して多くの実験研究者と出会いました。これが現在の共同研究につながってます。2010年東北大に准教授として移り、初めて研究室を持ちました。学生も増えたあたりで2016年から阪大に移りました。

大阪大学理学研究科についての印象をお教えください

今までいろいろな大学を移ってきましたが、阪大の学生さん、先生方、事務の方はみなさんとても明るいです。院生さんもみなさん優秀です。あと理学部関係ないんですが夏が暑いです。

大阪大学理学研究科で実現したいこと、目標などあればお教えください

自分で新しい分野を切り開いて、阪大をその分野の世界的な研究拠点の一つにしたいです。といっても新しい分野なんてすぐにできるものでもないので、まずはできることからコツコツやってます。誰もやってないものに注目したいです。

理学友倶楽部の部員に
メッセージをいただけますでしょうか

物理以外の先生方ともお話する機会が多いのですが、ユニークな方、尖ってる方がたくさんいて、研究の内容も非常に面白いと感じました。いろんな方と関わって大阪大学全体を盛り上げていければいいと思います。

最後にひとこと

関東出身なので大阪そのものが新鮮です。

大阪大学 大学院理学研究科 物理学専攻 物性理論研究室
→ホームページ

学歴

 

1998年

東京大学理学部 卒業

2003年

東京大学大学院理学系研究科 博士課程修了


職歴

 

2003年

東京工業大学 助手

2010年

東北大学 准教授

2016年

大阪大学 教授