理学友倶楽部だより

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2026.04.24

新任の教員よりごあいさつ:質量分析センターに着任した和泉 自泰 教授

和泉 自泰

Yoshihiro Izumi

大阪大学大学院理学研究科
共通施設 質量分析センター
2026年1月 着任

現在の研究の概要について教えてください

質量分析を基盤としたオミクス(※1)解析技術の開発と、ビッグデータを活用した応用研究を行っています。具体的には、生体内に存在する代謝物、脂質、タンパク質を網羅的に観測するためのオミクス計測技術(メタボロミクス・リピドミクス・プロテオミクス)を開発するとともに、得られた膨大なデータを活用し、社会に貢献する研究を目指しています。

※1 オミクスとはギリシャ語で「すべて・完全」を意味する「-ome」と、「学問」を意味する「-ics」からなる言葉で、生体分子を網羅的に解析する研究分野のこと。生体分子の種類により、ゲノミクス(ゲノム)、プロテオミクス(タンパク質)、メタボロミクス(代謝物)、リピドミクス(脂質)などがあります。

この道を選んだ理由を教えてください

高校まではサッカー選手になることを夢見ていましたが、その道が容易ではないと認識し、紆余曲折を経て研究者の道に進むことを決意しました。根底には、一貫して覚悟を持って一つの道を究めたいという思いがあり、サッカーに注いでいた情熱は研究へと移ったと考えています。また、研究活動は世界の研究者と競い合いながら自己を高めていく場であると同時に、若い研究者を育てたいという自身の志向とも合致していると自己分析しています。

現在の研究でやりがいを感じるのはどんなときですか?
逆に難しさを感じるのはどんなときですか?

産官学の多くの研究者や学生とともに新しい計測機器や測定法を開発し、世界初のデータを取得した際には、チーム全員で喜びを分かち合えることにやりがいを感じています。一方で、我々のオミクス研究では高額な装置が必要であり、その運用には多くの業務を伴うため、研究を継続する上での課題となっています。

大阪大学理学研究科に着任前はどちらで研究していましたか?
着任までの経緯なども教えてください

2010年の学位取得後、神戸大学大学院工学研究科および医学研究科にてメタボロミクスの応用研究に従事しました。2013年からは大阪大学工学研究科において島津製作所と共同で超臨界流体抽出・クロマトグラフ装置の開発を行い、2015年からは九州大学生体防御医学研究所にて約11年間、技術開発と医学研究を中心とした応用研究に取り組みました。この度、ご縁を得て大阪大学で再び研究に従事する機会をいただきました。

大阪大学理学研究科についての印象を教えてください

着任後3か月と間もないですが、理学研究科・理学部には科学の本質を追求する理念が浸透しており、事務の皆様の手厚いご支援のもと、充実した教育・研究環境が整っていると感じています。

大阪大学理学研究科で実現したいこと、目標などあれば教えてください

私の研究スタンスは、社会的ニーズに即した研究課題を適切に選定し、それを深く掘り下げるための技術と知識を追求することです。「理学」と「工学」の理念を融合し、新たな計測技術の創出と新しい研究分野の開拓を目指しています。

理学友倶楽部の部員にメッセージをお願いします

理学研究科の多様な分野の発展に貢献できる質量分析センターを構築していきたいと考えています。質量分析に関してお役に立てることがございましたら、お気軽にご相談ください。

最後にひとこと

一緒に研究活動を行い、世界一を目指すメンバーを広く募集しています。ご興味のある方はぜひご連絡ください。

大阪大学 大学院理学研究科 共通施設 質量分析センター
→ホームページ

学歴

2010年

大阪大学大学院工学研究科 博士(工学)取得

職歴

2010年4月

神戸大学大学院工学研究科 博士研究員

2011年9月

神戸大学大学院医学研究科 特命助教

2013年4月

大阪大学大学院工学研究科 特任助教

2015年4月

九州大学生体防御医学研究所 准教授

2026年1月

大阪大学大学院理学研究科 教授