理学友倶楽部だより

News

2019.06.24

新任の教員よりごあいさつ:数学専攻に着任した鎌田聖一教授

鎌田 聖一

Seiichi Kamada

大阪大学大学院理学研究科
数学専攻
2019年4月 着任

現在の研究の概要について教えてください

結び目理論と3次元・4次元のトポロジーについて研究しています。結び目は3次元空間内の曲線のことで、トポロジーは連続変形しても変わらない図形の性質を調べる学問です。結び目理論では結び目や3次元の世界(3次元多様体)をトポロジーの観点で研究します。私はそれらの次元を一つあげて、4次元空間内の曲面(曲面結び目)や4次元多様体について研究しています。

この道を選んだ理由を教えてください

大学の授業で初めて「トポロジー」を学んだとき、距離を用いずに連続性が定義できるなど、それまでに学んでいた微積分や線形代数と全く違うことに衝撃を受け、その面白さの虜になった気がします。4年生のゼミで結び目理論の第一人者である河内明夫先生の指導を受けられたこともあり、この道へ進みました。

現在の研究でやりがいを感じるのはどんなときですか?
逆に難しさを感じるのはどんなときですか?

4次元の世界は直接目で見ることができないですが、数学の知識を使えば、そこから必要な情報を取り出したり、逆に、元の世界を構成したりすることができます。そこに醍醐味を感じます。研究そのものの難しさよりも、研究するための時間の確保が難しくなってきています。

大阪大学理学研究科に着任前はどちらで研究していましたか?
着任までの経緯なども教えてください

最初に大阪市立大学大学院理学研究科に就職しました。在職中に日本学術振興会海外特別研究員の制度で2年間研究のため渡米し、そのあと、広島大学大学院理学研究科で約10年ほど勤務し、再び大阪市立大学へ戻ってきて、この度大阪大学へ着任しました。

大阪大学理学研究科についての印象を教えてください

伝統のある研究科・学部で、教員の層がとても厚く、分野を超えた交流が活発な印象を持っています。

大阪大学理学研究科で実現したいこと、目標などあれば教えてください

じっくりと腰を据えて研究に取り組みたいと思います。学生の皆さんが修了・卒業時に大阪大学理学研究科・理学部に来てよかったと思えるように教育面も頑張りたいです。

理学友倶楽部の部員にメッセージをお願いします

どうぞ宜しくお願いします。

最後にひとこと

どちらかというと時間をかけてゆっくり取り組むタイプです。話し方がおっとりしていて、大阪出身と思えないと、時々言われます。(忙しくてイライラしている時は顔に出ることがあるようなので、気をつけたいです)

大阪大学 大学院理学研究科 数学専攻 鎌田 聖一
→ホームページ

学歴

1992年

大阪市立大学 大学院理学研究科 数学専攻 後期博士修了(博士(理学)取得)

職歴

1991年

日本学術振興会 特別研究員

1992年

大阪市立大学 理学部 数学科 助手

1995年

同 講師

1998年

同 助教授

1998〜2000年

日本学術振興会海外特別研究員:南アラバマ大学客員教授

2002年

広島大学 大学院理学研究科 数学専攻 助教授

2003年

同 教授

2013年

大阪市立大学 大学院理学研究科 数物系専攻 教授

2019年

現職